契約書は約束を書面に残すもの
面接や条件のすり合わせで聞いた条件は、契約書に書かれるまでは記憶の中の言葉にすぎません。あとで給与や勤務時間をめぐって食い違いが起きたとき、まず確認されるのが契約書です。韓国の労働法は、賃金、労働時間、休日、年次有給休暇といった中心的な労働条件を書面で明示し、労働者に交付するよう定めています。ですから、契約書なしで働き始めようと言われたり、署名だけして控えをもらえなかったりしたら、求めるのは当然です。初出勤の日に慌ただしく署名するより、前もって受け取って読めるか聞いてみてください。
必ず確認する項目
契約書の様式は会社によって違いますが、次の項目がどんな形であれ入っているかを確かめる必要があります。抜けている項目があったり、「会社の規定による」とだけ書かれていたりするなら、その規定の内容を見せてもらえるか聞くとよいでしょう。特に業務内容や勤務地が広すぎる書き方になっていると、あとで予想外の業務や勤務地の変更につながることがあります。
- 契約の当事者と勤務開始日
- 契約期間:期間の定めがあるかないか
- 業務内容と勤務地
- 賃金の内訳、計算方法、支払日と支払方法
- 労働時間、休憩時間、休日
- 年次有給休暇とそのほかの休暇
- 試用期間があればその期間と条件
賃金は内訳まで見る
年収の総額だけ確認して済ませると、見落とすことがたくさんあります。基本給がいくらか、どんな手当が別にあるか、賞与はどんな条件で支給されるかを分けて見てください。残業や深夜・休日の労働への対価をあらかじめ決めた金額で賃金に含める方式なら、何時間分が含まれているか、その時間を超えたらどう精算するかを確かめることが大切です。総額を労働時間で割った時間あたりの金額が法定の最低賃金を下回っていないかも、公式案内の基準で自分で計算してみるとよいでしょう。
労働時間と休憩・休日
始業と終業の時刻、休憩時間、休みの日が何と定められているかを確かめます。交代制や変形的な勤務形態なら、勤務表がどう決まり、いつ知らされるのかも聞きます。契約書の労働時間と実際に働くことになる時間が大きく違いそうなら、その差をどう扱うのか署名前に話し合う必要があります。働き始めたら、実際の出退勤の時刻を自分で記録しておく習慣が、あとで起こりうる争いでいちばん確かな資料になります。休憩時間が契約書に書かれていても、実際には休めない仕組みなら、その点も前もって聞いておくとよいでしょう。
契約期間、試用期間、特約条項
期間を定めた契約なら、終了日と更新の有無をどう決めるかを確認します。試用期間があれば、その期間、試用中の給与と評価の方法、試用期間終了後の扱いを契約書の中で探してください。試用中の給与を減らすことには法律で定められた要件と上限があるので、正確な基準は公式案内で確かめる必要があります。途中で辞めたら研修費や違約金を払うと前もって定めた条項、退職後に同業への就職を禁じる条項のような見慣れない特約があれば、その効力は法律や状況によって変わりうるので、署名前に相談してみるほうが安全です。
署名する前の姿勢
契約書の内容を尋ねるのは面倒な振る舞いではなく、当然の確認です。わからない条項は「この部分はどんな場合に適用されますか」のように事実を尋ねる形で質問しましょう。協議のときに約束された条件が抜けていれば契約書に加えてもらうか、少なくともメールなどの記録で確認をもらっておきます。署名したあとは、契約書の控えと一緒に求人、条件案内のメール、会社の規定のように労働条件を示す資料を一か所にまとめて保管します。
- 署名前に全体を読む時間をもらう
- 口頭の約束が抜けていれば反映を求める
- 署名した控えを必ず受け取る
- 求人と案内メールもあわせて保管する
問題が起きたとき
契約書と違う賃金が支払われた、契約書をもらえなかった、不当だと感じる扱いを受けたという場合は、感情的に動くより先に記録を集めましょう。給与明細、出退勤の記録、やり取りしたメッセージが重要な資料になります。韓国では雇用労働部の相談窓口や地域の公的な労働相談機関で無料の相談を受けられ、必要なら労務士や弁護士などの専門家に頼ることもできます。日本など他の国で働く場合は、その国の公的な相談窓口を探してください。この記事は一般的な確認項目をまとめたもので法律相談ではありません。法律や基準は変わりうるので、具体的な判断は必ず公式案内と専門家を通じて確かめてください。
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